お墓の設計

和風を詩っておりますと、いろんなお仕事依頼が来まして、今回 お墓の設計をさせていただきました。

 

現代の日本人、お墓に対するその気持ちは、本当に両極端になっていませんか?マイホーム住宅に対する思い入れも両極端ですが、お墓となるとさらにこの”思い入れの差”が激しく開いているような気がします。

 

お盆休み。ご先祖様のお墓参りみなさん、されましたか?

 

統計まではわかりませんが、数十年一回もお墓参りしていない人が日本人約1億人のうち、ほとんどではないでしょうか?毎月お墓参りし、雑草処理 墓石を磨いたり、法事やお仏壇に手を合わせて、という方はほんの数パーセントになってしまったのではないかな?

 

この状況は マイホームにも同じように言えまして、毎月の給与と住宅ローンの金利ばかりに目が行って 家の仕様や住まい心地は、二の次。雨風さえしのげればいいのだ。という方がほとんど。お仏壇の無い家が最近はほとんどです。

 

一方ではわずかですが、設計し 方角、石の素材、花立の形状、宗派の流儀までとことんこだわり、自分の入るお墓を生前にご用意される方、家の隅々まで計画して自分の息子、孫の代までこの家を使うんだ、という思いで土地選びから練りに練った計画で 予算をつぎ込み、家を建てられる方がいらっしゃいます。

 

そのわずか数パーセントの方は、事業家でもあり ご自分が成功した事に対して ご先祖、ご子息にその繁栄を感謝しているような方が多いとは思いますが、私の体感では実はそうではなくて、普通の会社員の方でも、「お墓だけはちゃんとしたい」という方がいらっしゃいます。

 「お金が余っている方できるんだよ、しょせん庶民には高値の花さ」というのは 違うと思います。

 

 よく 迷信のように、事業が失敗 離散して不幸となった家族に対して、「家の方位が悪いのだ」 「お墓を粗末にするからだ」など言われたりしますが これは霊感的な問題ではなくて、先祖 家族に 感謝する気持・姿勢が 毎日の事業の中で表現されて、自然とお店が流行り、事業が成功するという 連鎖関係なんだと思います。

 

 まぁ、普通に想像すれば、お墓詣りもしない、自分の両親のお墓も雑草だらけ、という性格・考え方の方が、ご自分に責任もって お客さんが満足できるような仕事を提供できるか?と言えば、疑問符が付きますね。

 

たまごが先か鶏が先か?

 

生物学的に見ても、これは 鶏が先なのです。子供を大事に育てたい、子孫を反映させたいという思いが、鶏の体の中で変化して 卵を生むようになったのですね。

 

マイホームの計画の際、子供・孫のために、どうしたらいいのか?とみなさん考えていますか?

20年ローンの間だけなんとか生活できればいいやと、考えていませんか?

 

40年後、孫がこの家をどう使うのか?そんな風に考える事によって 自分自身が変化して 空も飛べるようになる 家はそんな力も持っているのではないかと思います。