風水は真北を基準にしてよいのか?

  先ほど、”風水は磁北ではなく真北を基準とする” と書きました。

  方位磁石の方向から 約6度傾けて真北を考えるという風水家の方もいらっしゃいますが これは正確な真北ではありません。

 

 一般的な真北とは 地図や公図に書いてあり 北極点を基準にし 地球儀に細いラインで書いた”経度ライン上”の事を指したりします。

 

 住宅地図や、公図は ほぼこの東経ラインを軸に作成されていて、マイホームの”真北”を調べるには このラインを利用しても、まぁまぁ正確ですが 100%正確な方向ではありません。

 

 この緯度ラインは あくまで地球は真球であり太陽公転軸面に23.5度地軸が正確に傾いているという仮定で、人間が生活するうえで使いやすいように 勝手に決めた仮の幾何学座標値です。

 地球儀は ほぼ真球ですが 実際の地球はジャガイモのような形をしていて 地軸も23-24度当たりをフラフラ揺れながら 止まりかけのコマのような回転をしています。

 

 地軸の真北も 磁北と同じように、移動しています。これを歳差運度といい、気候変動を ミランコビッチフォーシングといいます。 (勝手にリンクさせていただきました)

  この自転軸の揺らぎは 夜の星の中央に輝く”北極星”の移動にも 見られます。(勝手にリンク)

 

 加えて その土地ごとにある 重力差による鉛直方向の差異が発生します。地図の真北はまぁまぁ正確だけど 寸分狂いの無い方向ではありません。

 ”正確な北方位” は その土地・その場所にたった1つだけ与えられる唯一のもので、その場所で 正しく測量作業をし、決められるものなのです。

  

 古代ではこの完璧な北方位を求めるには 高い測量技術とお金と労力が必要でしたので ピラミッド級の古代遺跡クラスで採用されるくらいで 一般の建築ではなかなか採用できませんでした。そのため古代風水師は 「簡単に低費用で短時間に使える磁北」を代用したのが 風水の歴史です。

 現在では GPS機能も 測量機器も高性能化していますので この真北を求める作業はそれほど困難ではありません。 


 建築工事における設計図は どれもミリ単位で書かれ、その施工精度も向上しています。なのに 北方向だけは あまりにアバウト。建物に最も長く強い影響を与える日照は 軽視されています。

 未来を予測するのに どれも適当でスタートしては 50%しか当たりません。診断の作業精度を上げて これを80-90%へ上昇させましょう。