軒と緯度経度

 建物の「軒」について 一般的に 左側にあるような画像で 冬至と夏至の日照角度から軒の形状を設計している というような説明がありますが これでは少々強引な気がします。

 

 この図では その日の「正午」一瞬の状況を表しているだけで 実際の建物には 早朝から夕刻まで約12時間 方向も角度も変化しながら いろんな角度から日照が与えられます。

 

 正午の一瞬を基準に 軒の寸法を計画していては 早朝・夕刻には 居心地の悪い部屋ができるかもしれません。

 また 同じ日本でも 緯度によって入射角は変わります。沖縄と北海道では 約15度差があり 本当はその地域によって 屋根の角度 軒の深さも変化させなければなりません。東京の基準を東北や四国に採用しても 軒は良いパフォーマンスを発揮できません。

 

 当社では 建物の能力を最大限に引き出す為 その土地の緯度から 屋根の角度 軒の深さを自由に最適に計画します。仮に2度~5度程度 勾配を変化させても工事費が極端に増加する事はありません。

 

 


 東側の窓も西側の窓もありますし、建物がいつも太陽の南中方向に正対しているわけでもありませんので それらを考えるときは 左のようなCGを作成します。

 実際の緯度経度 建物寸法をほぼ正確に動画を作成しますので 完成後の状態を正しく予測できます。



 こういったIT技術がまだ無かった過去の時代 寺社建築 公共建築の設計をする際は 技術力の高い建築士 測量士達が時間をかけて計画していましたので 設計費用も時間もかかり 一般の住宅まで普及できませんでしたが 現在は簡単に採用できます。

 限られた建築予算 建物の持つ能力を最大限に伸ばす設計手法で 高耐久化 住環境の向上をご提案します。