建物の向き 方位


 同じ構造規模 同じ間取りでも 向きを変えれば 左の画像のように 建物環境は大きく変わります。

 

左動画 設計条件

    建物 木造2階住宅

       縦10m 横16.18m 高さ6m

    北緯34.5度 日本付近

 

中央の赤い矢印は 周辺全体に流れる 気流の方向と大きさを示しています。


画僧数値を グラフ化するとこうなります。

  風向ベクトルは 一部を除いて ほぼ一定。東南から北西向きとなります。

 

 風量 建物の向きで大きく変化しています。ある1つの方向だけ 極端に風量が大きくなる角度があります。またほとんど風の流れない角度もあります。最大と最小で約2倍の差があります。


 最大の風量を発生するのは 左の角度図のような向き。建物は東南側に約20度程度回転しています。これが建物が受動的能力を最大に発揮する角度となります。

 この状態なら 真夏に網戸にして 実際にエアコンのない生活が送れます。

 

 建築主様それぞれに置かれた 敷地 周辺条件も異なりますので その中でベストな形を選択します。

 


グラフで風量エネルギーが 最も小さくなるのが この右の図です。

 10度~20度 真南から西側に回転させた方向となっています。

 

一般的な不動産広告などでは 最大の向きも 最小の向きも 同じ「南向きの住宅」と表現されると思います。また現地ではどちらの建物も一見して同じ日当たりのように見えるでしょう。

 しかし 実際の数値は 倍以上の風量エネルギー差があり これが数十年止まることなく住む人と建物に影響を与えます。

 

 少し 工夫するだけで 数十年間の消費エネルギーは大きな金額となって返ってきます。