野帳場



 ”野帳場” のちょうば、と読みます。


広く ”公共工事の工事現場”のことを言います。


昔の大工さんなどの職人さんにとっては この ”野帳場”の仕事をしていることは、いわばプライド 自負となっていました。


「わしは、野帳場もこなした 職人なんだ」 などと自慢げに話ししていた、ベテランの大工さんもいましたね。それだけ、施工に 強度・耐久性などを要求されて、施工後には その検査を受けて 合格すると次の工程へ進む というような工事です。


 昔、野帳場の大工さんは、一般住宅だけを施工する いわゆる”町屋の大工”さんを 馬鹿にしたように話す人いましたね。「あいつらじゃ、野帳場はつとまらねえ!!」とか言って、自分のプライドを保っていたみたいです。


 大工さんに限っては 野帳場大工の方が 上級である。のような評価が 今でもあるのですが、逆に 左官工事の職人さんについては、これが逆なのです。


 ”町屋の左官さん”は、現場で談笑する際、「あいつらは 野帳場の左官だろ?うちの仕事ニャーついてこれないだろ」なんて 言っていました。公共工事では なかなか 土壁や漆喰などを塗り上げる仕事が少ないので、そんな関係だったんでしょうね。